設立趣旨書

設立の目的と背景

逆問題は応答(出力)から物性値や条件(モデルや入力)を逆推定する問題の総称であり,橋梁をはじめとする構造物のヘルスモニタリング,観測応答と整合する地盤モデルの推定,物理探査による地盤構造推定など,各分野において広く取り組まれている問題である.分野ごとに注目する応答パラメタやその計測方法,応答解析手法などは異なるが逆問題的手法自体は部門横断的である.

逆問題小委員会は応用力学委員会設立と同時に設立され,現在においても応用力学シンポジウムの一部門として「逆問題」が存在している.小委員会設立当初の1994年は逆問題という考え方が広まった頃で,逆問題的手法に対する基本的理解を深め普及させることに貢献した.その後,逆問題的手法は各部門において道具の一つとして定着し,小委員会としての部門横断的な活動はこのところ休止している.しかし,その後も逆問題的手法そのものの開発も進められていることから,最新の動向について情報交換を行い部門横断的な討議の場を設ける価値は高い.例えば,1990年台後半より世界的に広まってきた粒子フィルタ(データ同化手法)は多くの分野で用いることができる汎用性の高い手法である.こうした手法について最新の知見をまとめ,適用例を作成し,展開・普及を図る.

逆問題小委員会の活動内容

定期的に(3か月に一度程度)小委員会を開催して関連する研究テーマについての発表,討議を行い,同分野の研究者,実務者の情報,意見交換の場とする.さらに,逆問題的手法の解説のための例題,実問題への適用事例の作成を行い,簡単な読み物としてまとめる.また,研究成果については応用力学シンポジウムにおいて積極的に発表を行う.